自習や演習などで思わず力を抜いてしまうことがあるかもしれない。
しかし、本試験ではないからと力を抜いていると、本試験で最大の力を発揮するのが難しくなる。
2019年に引退したイチ口ーさんが高校球児を指導して、話題になっている。
最初に訪れた、智辨(ちべん)和歌山高校での様子を映像でみた。
彼が重視していたのは、練習のときから、全力でプレーしているか?ということだった。
「練習の時にフルスイングしていないと、試合ではバットを振れないよ」
と彼は言う。
そして、自らお手本となり、バッティング・マシーンから投じられたボールを全力で振り抜き、ホームランを連発してみせた。
また、彼は、長時間練習することの弊害も指摘していた。
一流校ともなると、何時間も守備練習をするので、送球数は格段に多い。
すると、手を抜いている訳ではないが、最後まで体力がもつように、自然と全力送球できない体になっている。
「キャッチボールのときから、全力で投げるんだよ」
ここでも、彼は高校生相手に、豪速球を投げてみせた。
高校生たちは、3日間という短い時間の中で、できるだけ彼の考え方を学ぼうとしていた。
昨今、より少ない労力で成果をあげたいという、いわゆる「コスパ(=コストパフォーマンス)」や「タイパ(=タイムパフォーマンス)」を気にする方が多いように感じる。
「効率的に」というのも、もちろん大事な視点だが、自習しているとき、演習を受けているとき、皆さんは集中力を高め、フルスイングで学習できているだろうか?
ちなみに、その夏、智辨和歌山高校は全国優勝を果たしている。