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簿記や会計を学んだ方が選ぶ国家資格と言えば、公認会計士税理士ではないでしょうか?

でもその違いについては、今一つピンとこないこと多いですよね。

実際に「会計士と税理士どちらが向いていますか?」「難しいのはどちらでしょうか?」などご相談にいらっしゃる方も意外と多いです。

そこで会計士税理士について、様々な角度から徹底比較してみましょう。

会計士試験と税理士試験の難易度の違い

単純にどちらが難しいか判定するのは難しいことです。

そこで、いくつかのポイント毎に比較検証してみましょう。

①取得までに掛る時間について

会計士は全科目一括で合格を目指すのがスタンダード。一方、税理士は科目合格制を有効に活用して、生活ペースに合わせた学習で5科目の合格を目指すのがスタンダードです。

そのため、会計士は早い方で1年、平均すると2~3年で合格される方が多いのに対して、税理士は2~5年の計画で取得されるケースが多いです。

②合格率について

短答式試験(マークシート方式)と論文式試験(記述式)の2段階で実施される会計士試験の合格率は概ね10%程度です。

一方、税理士試験は各科目合格率が10%~15%程度となります。

ただ、2017年の試験では29.56%と過去最高の合格率となったこともあります。

③受験戦略について

前述にもありますが、会計士は一括合格を目指すことから、「多科目一括学習」で合格を目指します。

また科目の内容も、会計から法律まで幅広いなど量だけでない難しさがあります。

ただ、網羅的に学習を進め、しっかりと正しい理解ができれば十分合格が可能となります。

税理士の場合は、科目毎に学習ができる点から、項目ごとに深い理解が必要となります。

合格するための学習もより専門的に、より高度になってきます。

しかし、科目間に関連性があるものもあり、効率的に学習することも可能です。

このように、会計士と税理士には試験制度の違いから「勉強方法」そのものに違いがでてきます。

より詳しく知りたいという方はこちらを参考にしてみてください。

公認会計士試験の難易度と合格率

会計士と税理士の仕事の違い

会計のプロ「公認会計士」と税務のプロ「税理士」。

専門とする分野の違いから、業務に違いがあるのはもちろん、働き方やキャリアといった視点でも違いがあります。

それぞれの仕事について、その魅力も含めて見て行きましょう。

①会計士の独占業務「監査」から始まる多彩なキャリア

会計士の行う主な仕事は「監査」です。

企業の財務報告書について、独立した第三者の立場で、企業の作成した書類をチェックし、正しいことを証明する業務です。

しかし、書類をただチェックしているのではありません。

企業の経営に対する考え方や戦略、そして様々な施策と結果など、様々な業界・企業が独自に持つ経営ノウハウを自身の知識・経験として蓄積できる仕事なのです。

そのため、経験豊富な会計士は多種多様な業界で必要とされています。

②税理士は個人から企業まで幅広く業務を行う

会計士のクライアントは企業

しかし税理士は企業以外にも、商店や個人に至るまで幅広くサービスを提供します。

個々の税理士が持つ、専門性を活用して企業への経営アドバイスから、個人の資産管理や事業継承など、クライアントの利益を第一に考えサポートします。

また、独立に適している資格としても定評があり、多くの税理士は個人事務所を設立し成功しています。

③活躍のフィールドに違いあり

一般的に会計士の専門分野である「会計」は世界共通、税理士の専門分野である「税務税法)」は各国固有のルールということから、そのフィールドにも違いがあります。

もちろん、世界で活躍する税理士もいますが、やはり海外で強いのは会計士でしょう。

会計士の主たる勤務先となる監査法人では、希望することで海外赴任も実現しやすく、実際に入所3年でシカゴ勤務となった女性もいます。

大手監査法人では、海外にある提携先に日系企業のサポートを行うスタッフを常駐させるなど、海外チャレンジしたい方には断然お勧めです。

今回はそれぞれの資格にある特徴から違いを紹介しました。

ぜひ「○○を実現するなら」など具体的なテーマでさらに違いをチェックしてみてください。

自分に合った資格がわかるはずです。

会計士と税理士の年収の違い

会計士と税理士の収入、どちらの方が高いでしょうか?

実は会計士と税理士、それぞれの平均年収を見てみると、「700万円程度」とほぼ同じなのです。

でも、勤務形態等の違いで見て行くと、結構違いがあるのです。

会計士の多くは、試験合格後に監査法人に就職します。

会計士としてのキャリア初年度は450~500万円と比較的高いのに対し、税理士では、税理士法人への就職の場合、初年度は300~350万円位になります。

しかし、これはそれぞれの専門的な組織に属した場合で、それぞれ条件を変えてみると状況に違いがでてきます。

①例1:独立した場合は税理士が有利?

どちらの資格も独立開業が可能な資格ですが、個人事務所開設の場合では年収に大きな差がでます。

会計士は平均すると1,000万円程ですが、税理士は3,000万円を超えるとも言われています。

そして中には「億」を超えるケースもあり、個人事務所の設立と言う点では税理士に強みがあるようです。

②例2:転職市場/外資系企業には会計士が有利?

それぞれの独占業務を通じて得た知識に対して、一般企業を中心とした転職市場ではどのようになっているのでしょうか?

もちろん企業規模等によっても違いがあるので、単純に判定はできませんが、

外資系企業に対しては会計士が有利と言えます。

理由は「1.豊富な経営ノウハウを持っている」、「2.世界で通用する会計の専門家」という点からです。

例えば外資系でも金融関連企業では、1,500万円以上で会計士の求人がされるところもあるくらいです。

平均年収は同じでも、条件・状況が変化するとそこに差もできるのです。

仕事内容・勤務形態・報酬など様々な視点で考え、ご検討されると良いでしょう?

さらに会計士の報酬について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

公認会計士の年収は高い?低い?

会計士は税理士登録ができる

公認会計士の登録をすると、税理士登録が可能になる…。』この話をすると、「なんだ会計士を取ればそれでいいんだ…」と思う方もいらっしゃいますが、それは大きな間違いです。

会計士も税理士も試験合格のために勉強した知識はそれぞれの業務に直結します。

特に税理士の場合、各税法に関する知識は業務をする上で、非常に重要なものとなります。

仕事をするためには、税理士試験で培った専門知識がなければならないのです。

どちらも高度な専門知識が必要とされる仕事です。

まずはどちらになりたいか?

しっかり判断した上で目指していただくと良いでしょう。

でも、どうしても決められない方は会計士を目指してみてはいかがでしょうか?

もちろん専門知識を習得する必要はありますが、会計士・税理士どちらの選択でも対応できるからです。

これまでの比較で、会計士・税理士の違いが伝わりましたか?

「どちらを目指すか…」考えるときの参考になれば幸いです。

どちらの資格にも言えることですが、簡単ではありませんがチャレンジするだけの価値は高く、その魅力は満載です。

ぜひ、ご自身の思いにマッチするようでしたら迷わずチャレンジしてみてください。

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