どれだけ勉強しても同じ作業負荷を繰り返すだけでは一定のレベルにまでしか到達できない。
慣れたやり方だと楽ではあるが、その後は現状維持。
たとえ辛くとも自分の学力に合わせて変えていくことで次のレベルへと進めるのである。
筋トレを始めたばかりの頃は、20kgの負荷でも効果があるだろう。
しかし、筋力が増し、20kgの負荷に余裕を感じるようになってきたら、そのままトレーニングを続けていても効果はない。
負荷を25kgに変えるべきだ。
自分のレベルに合わせて負荷を上げないと筋肉量が増えないことは、今の時代、筋トレをしない人でも知っている。
これと同じことが勉強にも言える。
勉強を始めたばかりの頃には効果があったトレーニングも、学力が上がるにつれて、成果が上がらない無駄な作業に成り下がっていく。
その代表例が、テキストを読んで理解する作業だろう。
テキストの内容がまだ理解できていない学習初期において、テキストを読んで理解する作業は最も重要だ。
しかし、理解が終わり、細部を覚える段階になったら、同じ作業を続けていても効果はない。
負荷を20kgから25kgに変えるように、テキストの読み方を、内容を理解するだけの普通の読み方から、暗記を意識した読み方に変える必要がある。
25kgの負荷は20kgの負荷よりも重い。
しかし、重いのは大変だからと言って20kgのままでは、いつまで経っても筋肉量は増えない。
勉強も同じである。
暗記を意識した読み方は普通の読み方よりも面倒だ。
しかし、面倒だからと言って今までの楽な読み方を続けていては、いつまでも覚えられず、成績は上がらない。
居心地の良さに負けて、同じトレーニングをずっと続けてはいないだろうか。
そこに学力の維持はあっても、学力の向上はない。
楽で効果があるトレーニングは存在しないのだ。