前に向かう姿勢を見せていけば、たとえすべてが順風満帆にとはいかなくとも、ご自身の目標は必ずや達成できるであろう。
エースと呼ばれる投手が大けがをした。
それはチームを守るための大けがだった。
いつ治るかわからない肩、肘、腰。
そんな彼を応援しようと思い、観客も少なく寂しい二軍の球場に向かい、遠くから見つめた。
投げたくても投げられない彼は、いつ治ってもいいように、芝生の上を黙々と走り、足を鍛えていた。
毎日毎日、踏み続けた部分の芝生はなくなり、ー本の道となっていたのだ。
復活するために、心を捨てることは一切なかった。
彼がいなくなった後、私はじっとその道を見つめた。
今を一生懸命に。
その積み重ねでできた道だ。
短期間とは言えない試験勉強では、時折不安にさいなまれることもある。
それでも、自分の歩幅で、一歩一歩踏みしめていく。
「前へ、前へ」
今までとったことのない悔しい得点であったり、つい最近覚えたことを忘れてしまっていたり。
学習を重ねているのに、伸びていないと感じることもあろうが、それは違う。
必ず何かが変わっている。
歩み続けているからこそ、自分では気づきにくいだけだ。
そして、歩みを止めないためには、それを行っている自分を、自分で認めてあげること。
みなさんが作っている道は、その先にある栄冠、普通では経験のできない素晴らしい未来につながっていることを決して忘れないでいただきたい。
さて、超満員の観衆の前での復活のマウンド。
あの時の勝利の笑顔を私は今でも覚スている。
合格祝賀会で見せていただくみなさんの笑顔は、応援する全ての方への最大の恩返し。
さあ、最高の笑顔のために、今を前に進もう。