「花園」を目指す若者は、一度負ければお終いである。
しかし「公認会計士」を目指す人は、一度や二度の負けでは終わらない。
最後に勝者になればいいのである。
9月。
高校ラグビーの全国大会「花園」出場をかけた地方大会が全国各地で始まる。
そのなかでも1回戦や2回戦のラグビーでは無名校同士の試合を観戦するのが好きだ。
負けたチームの泣きじゃくる選手や、それを励ますキャプテンを見ると、こちらももらい泣きしそうになるが、同時に「この若者たちの将来は安泰だ」とも思う。
強豪校がひしめくなかで「花園」出場の可能性などほとんどないに等しいにもかかわらず、3年間「花園」を夢に努力を続けた証拠の涙であるからだ。
さて、公認会計士試験。
短答式試験や論文式試験で一度も「負け」を経験せず勝者となる人は少数で、多くの人が一度や二度の「負け」を経験する。
そのとき泣けるか。もちろん実際に涙を流すかではなく、心の底から悔しい思いをするだけの努力をしたか、そして次回の捲土重来を誓えるか、ということである。
泣ける人はやがて勝者になれる人である。
私たちの前には、継続的な努力とほんの少しのセンスで勝ち取ることができる「花園」よりもずっと現実的なゴールがある。
しかも敗者でも復活し到達できるゴールである。
私たちはこのチャンスを掴むためにトライし続けるべきだ。
ゴールラインはそんなに遠くない。