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こんにちは。財務会計論担当 瀧本です。

第7回は資産除去債務・外貨建取引・連結会計を出題しています。いずれも短答・論文ともに重要な論点ですので、基本処理の確認をしておきましょう。

今回は連結会計について取り上げます。

連結会計

問題8で総合問題を出題しました。支配獲得後の各年度の連結財務諸表数値を問う問題です。まずは、小問を見て問われている数値を確認し、クウィック・メソッドを作成しながら解答を作成していきましょう。

具体的な内容に入る前に、連結財務諸表の作成手順を確認します。

学習上は下記の流れを押さえておいてください。

連結に先立つ個別財務諸表の修正(表示の組替えや評価差額の計上など)
財務諸表の単純合算
資本連結 ← クウィック・メソッドの活用
成果連結  ←  修正仕訳の集計

今回は、資本連結のみが問われていますので、クウィック・メソッドを活用して解答数値を求めていきます。

問2① X2年3月期のP社の連結貸借対照表に計上される非支配株主持分は資本合計×非支配株主の持分割合から求めることができます。

なお、問2② X2年3月期のP社の連結損益計算書に計上される非支配株主に帰属する当期純利益は、クウィック・メソッドからではなく、S社の当期純利益を按分して求めます。

クウィック・メソッドでは利益剰余金を集計しているため、剰余金の配当による非支配株主持分の減少部分も含んだ金額が按分計算されているので注意しましょう。

一方、問3② X3年3月期のP社の連結損益計算書に計上される親会社株主に帰属する当期純利益はクウィック・メソッドから集計することができます。剰余金の配当は受取配当金と相殺されるため、親会社株主に帰属する当期純利益に影響を与えます。

⇒親会社の当期純利益(45,000)+クウィック・メソッド(黄色部分)=57,250

※黄色部分の△2,750は一部売却に伴うS社株式売却益の修正額です。

問4② X4年3月期のP社の連結貸借対照表に計上される利益剰余金もクウィック・メソッドを使って集計します。取得後利益剰余金のうち、親会社株主に帰属する部分とのれんの償却額の累計が連結貸借対照表の利益剰余金に影響します。

⇒親会社の利益剰余金(195,000)+クウィック・メソッド(黄色部分)=233,875


今回のポイント解説はここまで。

財務会計論(計算)ステップ答練Ⅰ 第7回の初見(答練実施時)での目標点は80点です。連結会計は短答式試験、論文式試験で必ず出題されます。公認会計士試験合格のためには避けて通れない論点です。得点源にするつもりで取り組みましょう!

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